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2007/10/26

今は亡き、愛し君へ贈る詩~Ⅵ~

 

自分は

素直に声を出して泣きわめけるほど子どもではなかったし

いつかこうなるものだと素直に受け止め

納得できるほど大人ではなかった。

 

大きな声をあげて、

思いきり嫌だ嫌だと泣くことができたらどんなにいいか

 

これは当然の道だった、避けられぬ事だったのだと割り切って

全てを受け入れ消化することができていたならどんなにいいか

 



その日は、もう自分が会社に行かなければならない日だった。

もっと猫の傍にいたかった。

 

でも、それは出来ないことだった。

 

大切な者が苦しんでいる時、近くにいてやれない

何もしてやれない自分の無力が悔しかった。

 

 

病院に点滴のため、連れて行く。

車の中で、何度も何度も猫の頭を撫でた。

寝不足のため、自分の頭もガンガンする。

 

病院につくと、獣医に昨夜のことを話した。

獣医は何も言わなかった。

 

 

そして、猫を病院に預ける。

 

最後に、力ない猫の手をもう一度握った。

ごめん、もう行かなきゃ。ごめんな。

 

でも不意にこの時になって、

何だかまた会えるような気がした。

そんな当てのない予感がした。

 

だから意外にあっさりと自分は、病院を後にした。

 

帰る直前にもう一度猫の顔を見てからいくかと言われたが、

自分は首を横に振った。

 

また、お見舞いに帰ってくるから。

またお前に、逢いに来るからな。

 

次も家に帰れば

普通に会えるような気がしてならなかった。

 

 

 

けれども、自分のこの予感が当たることはなかった。

この時猫に触れた手が、一生の別れとなった。

 

“また会えるような気がした”?

そう思いたかっただけだったんじゃないか?

 

相変わらず自分は、馬鹿だった。

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